「群馬県 この先危険につき立入禁止 遭難多発区域」
ネットでネタにされているグンマー帝国(群馬県の蔑称)を彷彿とさせるその看板を初めて見たときは、面白いコラ画像という印象だった。しかし、どうやらこの看板は実在するらしい。実在するとしたらこんな紛争地帯のような警告文は何なんだと気になり、現地に行ってみた。
狭い山道をずんずん進んでいくと、ありました例の看板。
この日は天候にも恵まれ多くの人がここ「毛無峠」に集まっており、看板の写真待ちがたくさんでした。
看板の向こう側、危険地帯には小串鉱山跡があり、当時は硫黄の採掘がおこなわれていました。その製煉の排気ガスによって樹木が枯れ、山肌が毛無となったようです。
樹木がないことで山の保水力も弱まったのか、鉱山が現役だった1937年には大規模な地滑りが起きて245人が亡くなっています。
※小串鉱山の詳細については、このブログに詳しく記載されています。
インターネットはこのような個人ブログこそ残していく必要があると思います。
山肌に塗られた緑と青空のコントラストが他にない美しさを生み出しています。
木がないから練習場所に最適なのかドローンを飛ばしている人もいらっしゃいました。
スマホで撮影した何気ない写真でも伝わる通り、穏やかな自然を感じられる場所でした。
看板に惹かれてたどり着いた場所ではありましたが、自然の美しさとかつての人類が感じられる鉄塔が織りなす唯一無二の風景は、大袈裟でなく死ぬまでに見るべき景色です。
伝説の看板が存在しなくなったとしても、毛無峠は知る人ぞ知る秘境として存在し続けるでしょう。
コメント